一般社団法人 情報教育研究所(JKK)は、情報モラルの啓発活動を行っています。その土台は、子どもたちの心を育むことと考えています。私たちJKKは、皆様のご協力のもとに活動をさせて頂いております。
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私たちは、平成16年より4年間、愛知県碧南市内公立小学校7校においてスクールアシスタントを行いました。
当初はまだ、情報教育を取り入れた小学校は少なく、試行錯誤を重ねながら、現場の先生と協力して授業を作り上げていきました。
ある日5年生のパソコンの授業での出来事です。
デジカメの画像をパソコンに取り込んでその写真を利用して作品を作るという内容でした。
児童たちはあっという間にそれらの操作を覚えてしまいました。・・・・・・
ところが、ある児童が友達の顔写真に勝手に落書きをし始めたのです。
一人が始めると、回りの児童たちも「オレもオレも」と次々と真似をし始めたのです。
ある子は鼻の下に描いたりある子は目に×印を描いてつぶしたり、写真を横方向に拡大させたりして喜んでいます。
そのとき先生が、子供たちに問いかけました。
「君たちが同じ事をされたらどう思う?」
「君たちが学んでいることは、とても便利で、将来役に立つことだけど、その使い方を誤ると人を傷つけるものなんだよ。」
児童たちは、その問いかけにハッとし、我にかえったようでした。
その後児童たちが写真へのいたずら書きを止めたのは、言うまでもありません。
これは一例ですが、このような場面を幾度となく目にして、私たちは現場から多くを学びました。
子供たちの行動から子供たちに教えるべきこと、伝えるべきことが浮き彫りになってきます。
パソコン・ケータイ・スマホは諸刃の剣です。情報収集や伝達において便利である(光)と同時に、悪用したりされたりして、自分が被害者や加害者になってしまう危険性を(影)大きく持つのです。
悪用の代表的な例として、音楽や動画の無料ダウンロードが挙げられます。この問題は、著作権侵害はもちろんのこと、著作権者(アーティスト)の意を害していることになるのです。
そのことに、どれだけの人が気づいているでしょうか?
これは、教えない大人に大きな責任があります。私たち大人は、子供たちに操作や技術を教えるだけでなく、心の部分も教えなければなりません。
それは、相手を思う気持ち、ルール(法律を含む)マナーなどの規則、悪意を持った人の存在など、これらを理解させることです。 また、インターネットを安心・安全に利用するために、判断力・応用力を育てなければならないと、確信しました。
私たち大人は、何を子供に伝えなければならないのか?
それは、子供たちを見ていれば、子供自身が私たちに教えてくれるのです。
子供のつまずきの原因を知って、それを繰り返さないように手を添えてやるのが見守ることになるのではないでしょうか。
私たちJKKにできることは、生の授業現場において子供たちからの気づきを具現化し、地域や社会の皆様・学校現場にお伝えすることと考えています。
私たちの今までの活動として、PTA向けの情報モラルの講演、現職教育、授業内容の提起があります。その授業案の一つが文部科学省に選考されました。
これらの経験を通じて、私たちは、情報モラルの啓発活動を主軸とした一般社団法人 情報教育研究所を設立いたしました。