まだまだ、寒い日もありますが、毎朝夕、
我が家の愛犬を散歩させています。
最近の散歩の楽しみは、ご近所のお庭に咲いている木々が、
はにかみながら花を咲かせている姿を見ること。
寒いけど、もう花を咲かせてもいいよね、そんな声が聞こえてきそうです。
レンギョウ、木蓮、沈丁花。
よそのお宅の木々を勝手に拝見し、楽しんでいますが、
中でも足を止めてしまうのが沈丁花です。
控えめだけれど、清々しい香りが呼び水となり、
子どもの頃の記憶を順不同に思い出します。
「絶対誰にも言わないで」と念をおしながら話す友達の、
三つ編みが揺れている様子。
学校で済ませてくればよかった、と少し後悔しながら、
家のトイレへ急いでいる時、背中で揺れるランドセル。
補習を受けている教室の、陽だまりの色。
春が盛りになり、沈丁花の出番が終わる頃、また深くにもぐっていく記憶たち。
今、こうして愛犬を連れ、
ジャージ上下にスキー帽、花粉症用のマスクといういでたちで散歩しているこの光景も、
いつか、沈丁花の香りによって思い出す時があるかもしれないな。
そんなことを感じながら、今日も愛犬と歩いています。
(ち)
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