少し前のことになりますが、「情熱大陸」という番組で、
絵本作家の長谷川義史さんが取り上げられていました。
長谷川義史さんといえば、独特のタッチで描かれる絵とストーリーが人気で、
私が大好きな作家さんの一人です。
情報教育研究所の「かもめ文庫」推奨絵本の中にも、
長谷川義史さんの「ぼくがラーメンたべてるとき」が入っています。
番組は、長谷川さんが東日本大震災以降、ご自身の無力さに悩まれ、
苦しんでみえる姿を映していました。
長谷川さんは、悩みを抱えたまま、以前訪れたことのある石巻市の小学校を訪ねます。
まだ未発表の新しい絵本を携えて。
その絵本(「ラーメンちゃん」)をご自身で初めて子どもたちの前で読みます。
読む前の緊張感、聞いてる子どもたちの笑い声と笑顔、
それを見た時の長谷川さんの本当に嬉しそうな表情。
テレビのこちら側の私にも、彼の嬉しさが伝わり、思わず涙がこぼれてしまいました。
震災の後、子どもたちの心のケアが必要、という言葉を度々耳にします。
もちろん必要なことだと思いますが、そんなに気負わなくても、一緒に楽しむこと、
それだけで充分なのかもしれないな、などと、絵本寄付をしている一団体の者として感じました。
「子どもたちGO!」長谷川さんのメッセージが、強く心に残っています。