私たちJKKは、情報モラルの啓発活動を行っています。その土台は、子どもたちの心を育むことと考えています。情報モラルを子どもたちに伝える上で、何が大切なのでしょうか?子どもたちに情報モラルを伝える上で根底となるものは「心」であると考えています。
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「スマホ子育て=ダメな保護者」ではなく「今は過渡期なんだ」ということを認識してもらえるように、保護者の方々も悩んでいるということを社会に発信していきたい。
批判的な目ではなくて、一緒の方向を見て、横に寄り添っていきたい。自分も紙おむつはダメで布が良いと言われた時代に頑張っていたが、上の世代の方に「便利だから使えばいいよ」と言われて、すごく肩の荷が下りた経験をした。
そういう感じで「それでもいいんだよ」と寄り添った提言ができればよいと思う。
我々が「早期教育が大切」と言われ取り組んだように、「アプリを使えばこんな力がつく」と 言われれば、保護者の心を煽られることもあると思うが、紙と比べてどちらが良いのかなど、その子の姿を見て考えて欲しいと思う。提言だけではなくて、この問題はこれからもっと検証が必要だと思う。
僕は、3年前くらいから子育ての中でタブレットの活用を始めて「このままではダメだ」と気がついてアプリの精選を始めた。といっても、精選したアプリの使い方も子供によってバラバラなので、結局は目の前の子供をしっかり見る事にしか答えはないと感じている。
一番必要なのは「幼児のアプリは何が良いかな」と関心を持って精選しようとする部分だと思う。何か指針を出して欲しいと他人に頼る、PTAで決めてくれ、保育園で決めてくれ、オムツでさえ施設で外して欲しいが為に早く入園させるなど、他力本願ではダメで、保護者自身が自力で考え成長する事が重要だと思う。
「時間がない」共働きで、フルタイムで働いて、時間がないからスマホを使うんだろうか?専業主婦であっても使っているのではないか?そうではない気がする。
知育アプリがあって「子供にとって良いのでは」と思って使った。子供は好きですし、パソコンと違ってすぐに操作になれますし。
自分も「楽(らく)」だから使っているという面もあるのではないだろうか?
親が楽になるのは悪い事なのだろうか。子育て中に楽になっても良いと思う。
悩んでいる保護者に共感してもらえるメッセージを出す事も必要だと思う。
ルールを決めて自分立ちで守る事も大切だが、決めたルールを守り続ける事がもっと大切で、 そこまでをセットで提案する。
昨年(2013年)の全国学力・学習状況調査の結果とネットの利用時間の相関関係を表したデータによると、「全くネットを活用しない児童」よりも「1時間未満活用する児童」の方が、点数が高い事が示された。テレビの視聴時間を見ると、「全くテレビを視聴しない児童」よりも「1時間未満視聴する児童」の方が点数が高い。成績上位層の児童は、ネットもテレ ビも1時間未満など比較的コントロールできているのではないだろうか。
これがゲームになると違う。ゲームは0時間が最も点数が高い。ネットやテレビ、ゲームとの付き合い方が身に付いている、自分を律する事ができる児童は学力が高い傾向にあると考える事ができる。
時間をコントロールできる、自分を律する事ができる子供が、成績が良いと考えると15分でスマホを止めようと言って、自分を律する力を0歳1歳から積み上げることができれば、学力も高くなると考えても良さそうだ。「自律心を育てる良い機会」だと捉えて取り組む事も提案できるのではないだろうか。
本当にそうだと思う。この子達が大人になったときの社会を想像すると「自律心」「自分で判断して行動する力」など、今の学力観には無い新しい学力観を身に付けて欲しいと思う。その時にスマホやタブレットなどのICTは武器になるけれども、必ず自分でコントロールできるようにする事が大切。そこは、保護者だけが頑張るのではなく、子供と一緒に自問自答しながら成長していく事が求められるのだと思う。
冒頭に桑崎先生や永坂さんから指摘があった、ネット活用や情報モラル教育を受けていない世代が子育ての中心だとするならば、子供と共に成長していって欲しいと思う。
今の保護者、お母さん世代は、乳幼児からスマホを使い始めた「子育てニューエージ」だ。「あなた達がモデルを創る」という期待を込めて応援したい。
「良いモデルになって欲しい」と本当に思う。
今の子育て世代は、本当に忙しい。周囲が追いつめるのではなく「子育て世代にエールを送る」社会になって欲しいと思う。その為の情報発信・啓発活動を今後も考え合っていきたい。
以上